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ウィキッド"No Good Deed"について

本日はNo Good Deedについて書きます。
(この曲は私には文法がとても難しいので、以下、間違いがあれば教えてください!)

フィエロ!
エレカ ナーメン ナーメン アートゥアートゥ エレカナーメン
エレカ ナーメン ナーメン アートゥアートゥ エレカナーメン

奴らが彼を傷つけても
彼の肉が引き裂かれないようにして 彼の血が流れないようにして
彼が痛みを感じないようにして 彼の骨が折れないようにして
奴らが彼を殺そうとしても
彼が死なないようにして 彼が死なないようにして

エレカ ナーメン ナーメン アートゥアートゥ エレカナーメン
エレカ ナーメン ナーメン アートゥアートゥ エレカ エレカ

この呪文は本当に効くのだろうか?
もう自分が何を読んでいるのかさえ分からない
どんな魔法をかけようとしているのかも分からない
フィエロ、あなたはどこにいるの?もう死んでしまった?まだ息がある?
また一人、私が関わったことで犠牲者を出してしまうのだろうか

善い行いは全て、罰となって返ってきた
良かれと思ってしたことは全て、仇となって返ってきた
『善い行いをしても、罰となって私に返ってくる』 これが私の新たな信条
善い行いをしようと生きてきたけれど、結果、行き着く先はいつも同じだった
そう 善い行いをしても、罰となって私に返ってくるの!

ネッサ…ディラモンド教授…フィエロ…フィエロ!

一つの疑問がつきまとい、私を苛む
頭に響くその声は、こう繰り返すの
私は本当に善い行いをしようとしてきた?
それとも、ただ(他人から存在価値を)
認めてもらいたくて、注目されようとしていただけ?
これまでしてきた善い行いを、氷のように冷たい目で見てみると
どれも全て、自分のためだったように思える
もしそれが事実なら、多分それが私が罰を受けた理由なのだろう

善い行いをしても、罰となって私に返ってきてしまう
他人を助けたいという衝動は、ことごとく失敗に終わってしまう
善い行いをしても、罰となって私に返ってくるのよ
良かれと思ったからしてきた けれどその結果を見て
分かった、もう十分よ それならそれでいい
どうあがいたって オズの誰もが言うように私はwicked 
フィエロ、あなたを助けることすらできないのだから
もう決して善い行いをしようとしないと誓おう
絶対に、二度と善い行いなどするものか!



NGDはスピードが速い&情報量が多いので、どうしても仕方ないのですが、
日本語詞だと意味が伝わりきっていない部分が多く、残念に思うナンバー第1位です。。。

最初の、
肉が引き裂かれないように 血が流れないように 痛みを感じないように
 骨が折れないように 死なないように
」という部分があるからこそ、
カカシ=「肉、血、骨を持たず、痛みを感じることなく、死ぬことのないモノ」
にフィエロがなったということが、四季版だと「命を守りたい 死なせない」というリリックと、
ラストのフィエロのセリフ「かかしに変えてくれたから、体じゅうの骨を折られずにすんだ」
で補完していますが、これだと不十分に思います…。

日本語詞は、
「何をしても憎まれてしまうの 何故か 何故なの」
「災い呼び闇つきまとう それが私の運命なのか」と訳されていて、全体を通じて、
『私の運命は暗くて、見えるのは闇ばかり…そのせいで愛している人さえ救えない。
 成功できない、罰を受けている理由は、生まれ持ったこの運命のせいなのね!』
という印象を受けます。これは、
『善行だと自分が信じて行ってきたことは、冷静に考えてみると、
 実は他人から注目を集めるための行為だったのかもしれない…だから罰が下ったのか!』
という原詞部分とは、ずいぶん意味が違って聞こえるな…と思います。

彼女はこのシーンで初めて、
自分自身の中にあった"wicked"な部分(=善行をした動機は自分のためだったのかも)
を自覚する。それこそが、彼女が「罰を受けた」と感じている理由。
そして言う、「そうか、やはり私は皆が言うようにwickedなのか!」と。
wickedではないのにwickedと呼ばれていた彼女が、本物のwickedになっていくのがここ。

その、エルファバがwickedな魔女として覚醒するところ、
Let all OZ be agreed I'm wicked (オズの誰もが言うように私はwicked)
という部分は、WonderfulでWizardが言った言葉、
The truth is not a thing of fact or reason
The truth is just what everyone agrees on
(真実とは、「事実」や「道理」ではない
 真実とは…ただ、「大勢がそうだと言ったこと」なんだよ

に呼応しています。
つまり、「エルファバはwickedである」ことは事実ではなかったのに、
オズの大勢が言ったがために、いわゆる「真実」になっていくのが、ここ。
マジョリティの総意が「真実」だとされ、世に流布されていく恐ろしさを感じる部分です。
もしオズの国に「エルファバはwickedだ!」という声や意見が存在しなければ、
もしくは存在していたとしても、それが小さい声であったならば、
エルファバは自分がwickedな存在だと自覚しなかったでしょう。
まさにこれが、「社会悪」が生み出されていく過程のようで…。
扇動したのはウィザードであり、モリブルであり、グリンダですが、
もともとは、緑の肌を持つゆえに彼女を蔑み、差別してきた「社会全体」。

この、Let all OZ be agreed I'm wickedというリリックを歌うところは、
演出上も、エルファバの顔を下から照らしている照明が、邪悪な印象に変わり、
彼女が覚醒したのが分かりやすくて、大好きなフレーズなのです。
ここで、エルファバの奥に潜んでいた「悪」の恐ろしさを感じたい…。
そしてパッと照明が戻って、
Since I can not succeed Fiyero, saving you(フィエロ、あなたを助けることすらできないのだから
と、彼女の本音のワンフレーズをはさむ。
この一瞬だけ見せる痛みと弱さが、彼女が本物のwickedになってしまう前のラストフレーズ。
そして最後に、
I promise no good deed will I attempt to do again
Ever again!  No good deed will I do again!
(もう決して善い行いをしようとしないと誓おう 絶対に、二度と善い行いなどするものか!
この雄叫びにも似た決意を以て、エルファバはwickedな魔女となる…という構造だと思ってます。
ああ、ドラマティックだなー好きだなー。

…と読んでいくと、最初の呪文を唱えているところから最後の決意までに、
エルファバのすさまじい心境変化が歌われているのが分かります。
NGDは、W&Iのようにずっと明るく歌うナンバーではなく、
一曲の中での、ダイナミックな感情変化の過程の表現、メリハリを求められるので、
エルファバ役者の腕のみせどころだな、と。
NGDに関しては、BW/LAのEden Espinosaが素晴らしかった…!
映像だけしか観てないけど、映像なのに泣いたよ…amazingよ。
叶うなら、彼女のエルファバがまた観たい。

(佐野ウィザードレポは、近々アップします。ようやく書けそう…)

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